少しの余談。ボルダリングのお話です。
最近、全国的にコーディネーション課題と呼ばれる"動きのあるムーブ"を要する課題が増えてきているように感じます。 コーディネーション課題を登る際の動きあるムーブは、見るに鮮やか。登るに刺激が豊か。完投できた時の喜びは、ひとしお。
楽しくて良いのですが、柔軟性や筋肉量を理由とした壁にぶち当たったり「あ、これは肩やるわ」なんてことを感じると途端に登れないので、やきもきすることが多々あります。 そんなときは、いそいそと"まぶし壁"に戻って地味なムーブを続けるのですが、その折に「まぶし壁の方が好きだな」と感じる私。 この辺りは個々人の好き好みによるのでしょうか。はてさて皆さんはいかがでしょう。
さて、余談は一旦ここまでに。
クライミングシューズをお悩みの方に向けて本日ご紹介したいのはこちら 。
以前も紹介したことのあるサルティック。
今回はもう少し詳細な説明ができたらと文を綴ります。
まず結論から述べると
外岩を視野にいれた、スラブ壁が好きな方。ヒールやフックを利用するムーブを多用する方。脱初心者を狙って、本格的にクライミングしたい方。他の人とは違うシューズを履きたい方。
以上の方にお勧めです。
まずは形状。
ダウントゥです。きつめ、ゆるめ の中間あたりのダウントゥ。
ダウントゥのシューズは痛いから。と敬遠される方もいらっしゃいますが、こちらは全体的に柔らかい素材のために、見かけにダウントゥしていても、実際は自身の足の形に沿って少し伸びるので、たいへん履きやすいシューズとなっています。
ただ、柔らかいとは書きましたがシューズの先端部のアウトソールは固め。こうすることで、足先の力を逃がすことなくしっかりと伝えることを可能としてます。
また、形状的な特徴ですがダウントゥのシューズは比較的ヒールフックがかけやすいです。
ラバーがアッパーにもしっかり配されているので、トゥーフックもかけやすい仕上がり。
ヒールもフックも両方に対応できます。
ちなみにアウトソールの素材は触った心地が「ねっとり」した印象のサルティックオリジナル素材 エクスタシーソール3.5mmを採用しています。
ここまでをまとめると…。
全体的に柔らかいので履き心地が良い。
細かいビスに乗り込んでもしっかりと乗れる。
トゥもヒールもしっかりかかる。
こんなシューズです。
この先はちょっとテクニカル。
以下の画像をご覧ください。
一枚目がアバクス ノップ のシューズ裏の形状。
二枚目が比較で出した別ブランドのとあるシューズの裏の形状。
アバクス ノップの足裏は人差し指の付け根あたりから土踏まずのあたりまでを深くえぐったようなU字の溝が存在します。この形状をしているおかげで、より足先に力を集中させやすくなっています。
一方でアッパーはその溝に合わせるように膨らんでいます。
あくまでイメージですが、シューズの中の足の形状はこんな形。
言葉にすると人差し指がきゅっと上に上がるような感じ。
足先の力を強めるために足に随分無理のある形を要求するが、形状や使用する素材で、圧迫感や痛みを軽減させてくれる、細かな配慮のあるシューズということになってまいります。
そして、最後にはなりますが。
ご自身の足の形状に応じてベルクロの位置を変えることが可能。
ベルクロタイプのシューズですが、そのフィット感はシューレースタイプの"それ"と近いものに。この場にて恐縮ですが”足の甲が高くてシューズが合うシューズが無い”なんて方もオススメに。
ここまで、やたらと足先を意識した説明になってしまいましたが、おおよその高難易度を語るボルダリング課題は、腕の筋力よりも足さばきが重要になってくるもの。
ビスに乗れる、乗れない。ヒールがかけれる、かけれない。で、随分と変わってくるものです。
シューズ一つで登れるようにはきっとならないけども、登れない課題に対して”足先の意識”次第で急に登れることも往々にございます。
ここまで長々と説明あげましたが、ここはひとつ。
足先の意識ががらりと変わるシューズ。
アバクス ノップ手に取ってご覧になられてはいかがでしょうか。