暑い夏、快適に山で遊ぼうと思ったら、やっぱり「沢」!!
美しい森のなか、清流と戯れると、心が洗われるような気がします。
でも「沢登り」は難しそう。危なそう…。そんなイメージを持っている方も多いと思います。
これからご紹介していきたいのは、「沢登り」ではなく「沢歩き」。
なにも「沢」は難しい滝を登ったり、深い淵を泳いだりするものばかりではありません。
どこまでも続くナメ床を歩いたり、隠れた大滝を見に行くだけでも楽しいものです。
装備は最低限、沢靴・沢スパッツ・沢グローブがあればやさしい沢を歩くことができますが、グレードが上がれば
当然、ヘルメット・ハーネス・ロープなどが必要になっていきます。
「沢」に関心のある方は、いつもの登山道をはなれ、ちょっと冒険気分を味わってみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介するのは、越後の名山・巻機山にある「ヌクビ沢」の探勝です。
近年訪れる方はあまり多くはないようですが、井戸尾根の西側には「割引(われめき)沢コース」と「ヌクビ沢コー
ス」という沢沿いの一般登山登路コースも登られます。
後者のヌクビ沢は巻機特有のナメとスラブが広がるとても明るい渓相。
米子沢に勝るとも劣らない極上のナメ床もあり、山頂まで無理をして詰め上がらなければ気軽な渓歩きを楽しむ
ことができます。
ヌクビ沢の布干岩辺りまで遡り、巻道を利用して桜坂駐車場に戻れば、越後の大自然を日帰りミニ遡行で堪能
することができます。
桜坂駐車場を出発し、ぬかるんだ登山道で割引沢の渡渉点まで。
↑ 渡渉点
この先も沢沿いの登山道がありますが、昨今訪れる方はあまり多くはないでしょう。
渡渉点で沢装備を身に着け、遡行開始。
上越らしい開豁な渓を目にすると、心が躍ります。
↑ 米子沢にも劣らぬ渓相です
連続するナメ床を越えていくと、大釜をもった2段8m滝へ。
↑ 2段8m滝
右岸登山道で容易に巻くことができます。
↑ 吹上ノ滝手前の淵
この淵は突っ込まず、右から簡単に越えられます。
↑ 吹上ノ滝10m
最初の名のある滝は、吹上ノ滝10m。
左岸に草付きスラブが明るく開けており、水流右を快適に登ることができます。
↑ 凹角の流れ
凹角の流れが25mほど続きますが、無理に突っ張る必要はありません。
途中登山道が沢を横切っていました。
↑ ここが登山道
この先で渓は右に曲がり、立派なアイガメの滝が現れます。
↑ アイガメの滝20m
この滝は2段滝。水流右から取り付きくと、大釜が現れます。
“アイガメ”というと我々は登山靴のパーツを連想してしまいますが、おそらく藍の甕かめを意味するのでしょう。
大釜を横切り、水流左に横断してから直上することで突破。
ここも右岸に明確な登山道があるので、巻きは容易です。
↑ これが藍甕あいがめなんですね
アイガメの滝を越えると、しばらくは平凡な渓相。
正面に迫力ある天狗岩を望むことができます。
↑ 天狗岩を望みながら
やがて二俣。左が割引沢、右がヌクビ沢です。
↑ 二俣
↑ 割引沢方面
↑ 分岐に案内あります
↑ ヌクビ沢に入ります
少し傾斜がキツくなりますが、特に難しいところはありません。
↑ 下山道あります
やがて次なるハイライト、布干岩へ。
↑ 布干岩
ここでランチを楽しみながら、のんびりするだけで贅沢な時間を過ごすことができます。
巻道を使えば、入渓点まで50分ほどで戻ることができます。
沢靴など足回りだけしっかりしていれば、沢登り初心者でも楽しめるコース。
まだまだ暑い日が続くこの頃、涼を求めて爽快な渓歩きにチャレンジしてみてははいかがでしょうか。
045-317-1049
Staff / イトウ