2018年3月15日 (木)

冬期バリ、爺ヶ岳東尾根に行ってきました!

三月も半ばが近づき、本格的に春の陽気が感じられるようになってきましたね。

今日の松本は最高気温が21度ほど、店内では半袖でも暑いくらいになってきました。

そんな中、山は残雪期の時期になり、気圧配置も安定する日が多くなってきたので、3月12日に爺ヶ岳東尾根に行って参りました!

Img_9007_2

<コースタイム>

鹿島集落,950m地点(4:30)~1331m地点(5:30)~ジャンクションピーク(7:00)~P3(8:25)~P2(9:00)~P1,矢沢の頭~爺ヶ岳中峰(11:15)~鹿島集落(16:00)

JP:1736m,P3:1978m,P2:2198m,P1:2411m,爺ヶ岳中峰:2670m

このルートの特徴は大きい標高差と、痩せ尾根上のナイフリッジです。

片道での累積標高差は1800m、雪が硬く締まっており、天候が安定しているという前提の下でギリギリ日帰りができるラインかなぁという感じです。

ナイフリッジはP2~P1の間にあり、あまり距離は長くありませんが、両側は大きく切れ落ちているので、雪質や強風時には十分な注意が必要、トレースが無い時にはロープ確保が必要になってくると思われます。

今回はソロだったので、トレースなかったら潔く帰ろうと決めて挑戦をしてきました。

Dsc_1342 東尾根への取り付き口(下山時)

東尾根の登山では大町の鹿島集落が取り付き口となり、道端に10台ほどの駐車スペースがあります。

鹿島山荘脇を通り越して林を少し歩くと、写真の場所にたどり着きます。

そして、この最初の300mほどの急登がひたすらきつい。間違いなく第二の核心部。かなりの斜度があり、トレースはあるもののガチガチに凍っているので坪足は不可。最初からアイゼンを装着して登っていくことになりました。

Dsc_1310 急登を登り切り1331m~JPの間の樹林帯

この辺りは斜度があまりなく、雪も適度に締まってrいるので非常に歩きやすい感じ。トレースも明瞭、木々の間から本日の目的地、爺ヶ岳のモルゲンロートを見ることができました。

Dsc_1317 JPを通過後、標高約1800m地点

ここまで来ると、視界が開きはじめ快適な尾根歩きが始まります。道は広いですが、時々雪庇が発達した地点もあるので油断は禁物。

Img_8904 やっとたどり着いたP3地点

爺ヶ岳が間近になってくるP3地点、この辺りは幾つかの幕営ポイントがあり、この時は3張りほどのテントが既に設営されていました。

P3に到着時、実は風が非常に強く、身体が煽られることもしばしば。テントを張られていたパーティーの中に大学山岳部の方々がいましたが、お話を聞くと朝から風が強く、今日の登頂は断念したとのこと。進むべきか迷いましたが、とりあえず核心部であるP2付近まで進むことにしました。

Dsc_1324 P2からP1、中峰方向

P2を超えた先がこのルートの本番、尾根が細くなりナイフリッジが出現してきます。幸いなことに雪は硬く締まり、風も少しずつ弱くなってきていたので予定通り進んで行きます。

Img_89312 最初の緊張ポイント

万が一落ちるなら左側、右側はおそらく助かりません。雪庇はあまり発達しておらず、ブッシュが顔を出してきています。

Dsc_1325 距離は短いが、核心部

ここは落ちるなら右側、真ん中の雪庇はいつ落ちてもおかしくなさそう、一歩一歩確実に、雪面にピッケルを刺しながら進んでいきました。

Img_89772 P1,矢沢の頭から望む針ノ木岳と蓮華岳

核心部を通過してP1まで辿り着くと、冠雪した北アルプスの雄大な山々を望むことができます。

Img_8975 北アルプス南部方面、槍ヶ岳

Img_8866 松本盆地方面、素晴らしい雲海と、その上にひょっこり八ヶ岳&富士山

P1まで来ると、目指す爺ヶ岳中峰頂上も目の前に見えてきます。

Img_9130 爺ヶ岳山頂へのビクトリーロード

この日は私よりも先にお二人、テント泊で早く出発された方がおり、トレースがついています。

最後のこの斜面、基本的にはクラスト、パウダー状の雪が吹き溜まっているところもありました。

ここまでの道のりでキックステップを多用していたのでふくらはぎはプルプル、いつもは痛まないひざ裏にも張りが出てしまいます。ヘロヘロで気分は全然ビクトリーではありませんでしたが、先に登頂された方の「あと少し!」という励ましのお声を胸に頑張りました。

 そしてやっとやっとたどり着いた山頂には数々の絶景が待っていました!

Img_90322 鹿島槍ヶ岳方面、大きい雪庇が恐ろしい

Img_91125 爺ヶ岳南峰と針ノ木岳

Img_902455 岩と雪の殿堂、剱岳

山頂から見える剱岳。この姿を見る為に頑張りました。

天気は快晴で、最高の展望が広がっていましたが、山頂付近では黒部側からの強風が吹き荒れ、あまり長居をすることはできません。

帰りも危険なリッジを通らなければならないので、雪が腐り始める前に急いで下山を開始しました。

Img_9180 下山時、P3にて

無事核心部を通り抜け、ここまでくれば一安心です。先に戻ってきていた方にお願いして爺ヶ岳をバックに撮っていただきました。

Img_9184 冷尾根の向こうに見える鹿島槍ヶ岳

午後になり、西日で陰影が付き始めた白銀の山肌は本当に美しかったです!

今回のルート、ナイフリッジ、クラストした斜面など、雪山の醍醐味を存分に味わうことのできました。もう少し時間が経つと、落とし穴なども多くなりそうで、快適に歩ける時間はかなり短いルートかもしれません。

適期は2月後半~3月半ば位でしょうか?

次に行くときはテント泊で、余裕を持って行きたいなぁと思います!

松本パルコ店 スタッフ 小松

Bnr_fb_matsumotoparco