こんにちは
高所用ダブルブーツからクライミングシューズまで、持っている靴が全てスポルティバのスタッフ 杉原です。
最近、お客様からよく聞かれる質問があります。
左から「トランゴS EVO」「トランゴタワー」「トランゴキューブ」「トランゴALP EVO」です。
4足ともスポルティバのライトアルパインシューズというカテゴリーのなかで、「トランゴシリーズ」として発売されている靴です。ライトアルパインシューズとは、夏靴だけれどもセミワンタッチのアイゼンを装着できて、岩を登る性能を高めた登山靴のことです。同じカテゴリーのなかにある4足ですが、やはりそれぞれに個性があり、足型や志向する山行タイプによって自分に合うトランゴを選ぶことができます。
そこで今回は、この4足のどこがどう違って、どういう使い方に向いているのかについて書きたいと思います。
全てについて細かく書くと、1回のブログでは収まりきりません。それぞれの靴に使われている素材の詳細や特性については、メーカーHPに詳しく載っていますので、ここでは省きます。実際に履かなければ分からない、足型と大まかな構造の違いから、違いを見ていくことにします。
さて、「トランゴタワー」は「トランゴS EVO」のアップグレードモデルです。しかし、足を入れると履いた感じは結構違います。
なんとなくタワーのつま先の方がターンインしている感じがします。正確には、小指側の絞り具合はほとんど変わりませんが、タワーの方が親指の先を広く作っています。なので、履くと親指の先により空間を感じます。親指の先にスペースを作ると、必然的につま先のいちばん突出した部分が親指側、足の内側にくるので、よりターンインした印象になります。実際、爪先で立ってみると、タワーの方が立ち込みポイントがより親指側にあることを感じ、小さなスタンスに立ちやすくなっていなます。
次に感じる違いとしては、踵から土踏まずにかけての剛性感です。S EVOよりもタワーの方が踵から土踏まずにかけて硬さを感じます。まるで、骨格を固定するインソールが入っているかのような、足の骨が固定される感覚があります。また、S EVOに比べて、踵周りのパッドの量が多く、足を拘束する力を強く感じます。これらはよりハードな行動で足を保護するための変更点でしょう。S EVOは、パッドの量が少なめで、よりゆったりとした足入れ感があります。土踏まずにそれほど硬さも感じないので、よりストレスのない履き心地です。
「トランゴキューブ」と「トランゴALP EVO]は足型にほとんど違いを感じません。
アッパーがレザーでできているALP EVOの方が全体的に剛性感があり、キューブより重荷に強そうです。
キューブはナイロンアッパーですので、ソフトな履き心地でまるでスニーカーのよう!
では、この2足とタワーを並べてみます。
タワーの方が強くターンインしています!
履いてみると、キューブ、ALP EVOの方が小指側のアタりが少なく、つま先の突出部もタワーよりセンターに近い感覚があります。幅広で楽な履き心地です。
また、キューブ、ALP EVOは、S EVO、タワーに比べ、甲が低く、踵もコンパクトになっています。さらにパッドの量が少ない。これによって、登山靴とは思えない、まるでスニーカーのような軽い履き心地を出しています。
まとめます。
「トランゴタワー」・・・トランゴシリーズ中、いちばんハード。サポート性と拘束力が強い。
「トランゴS EVO」・・・元祖ライトアルパイン。足入れの良さとフィット感のバランスはgood。タワーよりソフト。
「トランゴキューブ」・・・トランゴシリーズ中、最も軽量で柔らかい。幅広快適。甲は低めで踵も小さい。スニーカーですか?
「トランゴALP EVO」・・・快適さとしっかり感の融合。トランゴシリーズ中いちばんオールラウンドか。キューブと 同じく甲は低め踵は小さい。
悩まれている方、参考にしてください!