2017年12月14日 (木)

冬期登山に使うザックについて

いつも松本パルコ店をご利用いただき、ありがとうございます。

スタッフ杉原です。

日本の雪山というのは、降雪が多く、多湿です。そのような気候はウエア内に大量の結露を発生させ、身体を冷やします。また、水分を多く含んだ深い雪はゴアのアウターをも濡らし、翌朝、テントから出た瞬間に湿った衣類やザックが凍り始めるなんてこともしばしば。

故に、肌に触れるインナーはウールが良いとか、手袋と靴下の予備は必携とか言われます。冬のレイヤリングに関する話は各店のブログでもけっこう取り上げられているのですが、冬期登山に適したザックについて取り上げているブログが無かったので、今日はザックの話にします。

個人的には、ザックは冬期登山で最もこだわる装備のひとつです。冬期こそ、ザックの使い勝手に雲泥の差が出ます。

雪山で優秀なザックには、次のポイントが挙げられます。

1、背面がメッシュではなく、雪が付着しにくいタイプ。(これ最重要!)

背面がメッシュのタイプは雪がつまり、それが体温で融けて背中を濡らしてしまいます。

Pc130011 これらのザックはすべて背面に雪が付着しにくい素材を使っています。また凹凸も少ないので、軽くたたけば雪が落ちてくれます。

2、アックス類が取り付けやすい

積雪期登山を想定したザックには、大抵、アックス専用のアタッチメントが付いています。

Pc130014 今どきスタンダードタイプ。どんなアックスも取り付け簡単。

Pc130016 クラシックな折り返しループタイプ。シンプル軽量。アックス用ではなく、トレッキングポールの取り付けしか想定していないループもあるので、注意。

Pc130017 側面ににサッとさせるタイプもあって、これは便利。

Pc130018 もちろん、普通に取り付けることも可能。

3、ポケット、ベルト類が少ない。

ジッパーが付いていないオープンポケットなどは、雪が入ります。また、冬山では水筒を外に付けることはないし、ピッケルやワカン以外のものを露出させて取り付けることも考えにくいので、実際使いません。防水処理をきちんとして、全てのものはザックにinしましょう。

Pc130019 アックスホルダーとサイドコンプレッションが付いていれば十分。

特にテント泊の場合は、ラッセルした翌朝など、湿ったストラップ類が凍って機能しなくなっていることが多いので、少ないに越したことはありません。細いテープほど、動かなくなることが多いです。

4、グローブをしていても操作しやすいバックル類が付いている

通常のパックルは大きいものでない限り、グローブをしていると上手くつまめません。

その為、小型バックルにグローブをしていてもつまみやすい特殊形状のものを採用しているモデルがオススメです。

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まとめると、雪山ではシンプルながらも、必要装備がしっかり充実したザックがベストです。

しかし、裏を返すと、腰回りや背面サイズの微調整が効かないモデルも多いということです。

メーカー・モデルによって背面長、パッドの形状は異なりますから、ディテールだけにこだわらず、

肩は浮いていないか&腰の位置は合っているかもきちんと確認して選びましょう。