こんにちは。調布パルコ店、佐々田です。
今回は、ギアのフィールドレビューです。今年アップデートされたカリマーの人気モデル、クリーブを避難小屋泊で使用してきました。
2023年にリリースされた後、日帰りから小屋泊まで、様々な山で見かけるようになったクリーブシリーズ。『コースタイム70%』がコンセプトのザックでファストハイクや長距離行動に対応する軽さと収納力を両立したモデルで、今年から40Lが新たに登場しました。
cleave 40
今回はその40Lを使用してきました。計画ではテント泊でしたが、天気の関係で避難小屋泊に変更しました。しかし、せっかくなのでテントはそのまま持って登り、収納力を確認してきました。以下、使用した感想です。ちなみに登ってきたのは、群馬、新潟に連なる谷川連峰の平標山と仙ノ倉岳です。
○メリット
・ロールトップのため、実際の容量は40Lは超えている。収納力はかなり高い。また、調整も容易。
・ベスト型に近い作りの為、胸にも荷重が乗り、かなり軽く感じる。ザック自体も軽い。
・背中のフィット感は誰でもある程度合いそうな、フラットな背面。万人受けしそうな作り。
・ヒップベルト、ショルダーハーネス、メッシュポケットと、様々なポケットの利便性が高く、山行を快適にしてくれる。
・40Lは30Lよりもチェストハーネスの肩部分が厚め。テントを入れても積載荷重は問題ない。テント泊対応ザックと言える。
○デメリット
・後ろのメッシュポケットの入り口が伸びない。入れるもの次第では、収納が難しい。
・ショルダーハーネス部分のポケットの位置が、若干高い。ドリンクを入れると、取り出しづらい事がままある。背面長が長い方だと、ポケットの性能を発揮しきれない。
まず収納力ですが、こちらは旧モデルからの評判通り、かなり高いです。ロールトップで、開口部が広いので、容易にパッキング出来ます。また、容量をコンプレッションで調整しやすいため、様々なシーンに適応します。
今回、テント泊と同じ状況を作るため、避難小屋に荷物をデポして山頂へ向かいましたが、調整するとこんな感じになりました。もう少しちゃんとコンプレッションすれば、さらに小さく見えそうです。今までのテント泊ザックであれば、アタックザックが必要でしたが、このザックであれば必要ないと思いました。ザック自体が軽く、コンプレッションで小さく出来、その際の重心調整も問題ありません。荷物を減らせるのは便利ですね。
収納力の高さと、汎用性を持ち合わせており、荷物次第ですが、2泊3日ぐらいであれば、テント泊にも対応するザックと言って差し支えないです。
チェストハーネスはベスト型に近く、荷重分散がしっかり出来ています。元から軽いザックですが、更に軽く感じる様になっています。
背面はフラットで、メッシュで熱を逃す構造です。このフラットでソフトな背面は、割と誰でもフィットしやすいです。軽量ザックですが、背面パッドはしっかりしているため、背面がたわんだりする事はありませんでした。ショルダーハーネスとウエストハーネスと合わせ、フィット感を高めれば、カタログスペック以上の軽さを感じるはずです。
各所に配置されたポケットはかなり便利です。ショルダーハーネスのポケットは、今シーズンのモデルチェンジで改良された部分。間口が広くなり、ペットボトルから携帯まで、様々なものが入るようになりました。今回、片側に携帯2台、片側に500mlのソフトフラスクを入れましたが、かなり余裕がありました。行動食をプラスしても入ると思います。
ヒップベルトのポケットは、よくあるタイプのポケットですが、メッシュが多少伸びます。そのため、ブドウ糖などの小さめの行動食なら問題なく入りますし、意外と便利です。
背面のメッシュポケットは、ザックを下ろしてすぐに出せる物を入れましょう。自分はファーストエイドを入れたり、ウェットティッシュを入れたりしていました。すぐに取り出したい物を入れるためのポケットかなと思います。(画像は30L)
サイドのポケットは、よく伸びるので、ボトルを入れるのに十分です。また、トレッキングポールやテントポールもサイドに刺す場合、コンプレッションベルトも使用すれば、安定して固定し、背負う事ができます。
各所のコンプレッションベルトや、ドローコードはギアを外付けする際に便利です。底面にあるドローコードは、テント泊のクローズドセルマットの固定が出来るので、テント泊の際に便利です。個人的に外付けはあまりしないタイプですが、外付けをよくする方にはかなり便利です。
肝心の背負い心地ですが、かなり良かったです。背面の構造上、極端に身長が高くなければ合うとは思いますが、背面がフラットでソフトなフレームやパッドが入っているザックは、万人に合いやすいと思います。ベストタイプに近い造りなので、胸にも荷重が乗り、ウエストベルトも合わせて荷重分散が上手くできます。テント泊を視野に入れた場合、重量は10kg前後になります。荷重分散が出来るザックだと重さを感じづらく、歩行が楽になるため、この造りはかなり助かります。
このザックは上記の条件を、ほぼ満たしており、背負い心地はかなり良かったです。この辺りはさすがカリマーのザックと言ったところでしょうか。
デメリットの部分ですが、背面のメッシュポケットは中をパンパンに詰めると、入り口が伸びません。メッシュ部分が余裕がある造りなので、ここも伸びていればなお良かったと思います。自分はレインウェアを入れたい人なのですが、中の詰め方次第では、入り口から入りません。レインウェアを入れてからパッキングすると、取り出すのが面倒です。ここを20Lの背面ポケットの構造にして欲しかったと思いました。単刀直入に、ここは不満点でした。
ショルダーハーネス部分のポケットですが、身長次第では、かなり上にきます。自分の身長、173cmでも少し高いかなと思いました。個人差はありますが、身長が175cmを超えてくると気になりそうです。顔の近くまでポケットが来ると、ドリンクなどはかなり取り出しづらいと思います。これはLサイズがあれば解決しそうですが、現状ではMかSなので、個人差があります。実際背負ってみての感じで決める事になりそうです。人によっては、性能を発揮しきれないかもしれません。
ちなみに、レインカバーは付属していませんが、個人的にはロールトップモデルはレインカバーはいらないと思っています。中に対応したサイズのスタッフバックを入れ、防水した方がいいと思います。
ショルダーハーネスの部分はサイズ選びで解消できる方もいそうですが、背面ポケットはテント泊では使いづらく、入れるものは取り出しづらくならないように吟味が必要だと思います。
総評ですが、サイズが分かれていることもあり、汎用性の高いザックだと思います。日帰りから小屋泊一泊程度なら、30L。二泊以上の小屋泊からテント泊なら、40L。と言った感じで使い分けができるシリーズです。
40Lはテント泊ザックとして使用出来るスペックを十分に備えており、軽さと背負いやすさも相まって、非常に使いやすいザックに仕上がっています。また、各所のポケットやドローコードで、さらに利便性を高めています。
道具の軽量化や小型化等、時代が変わってくる中で、容量調整可能なロールトップモデルが台頭して来ました。ただ、ロールトップモデルは背面のパッドが柔らかすぎて、積載重量次第では使いづらい物も少なくありません。
このクリーブシリーズは、その点を解消しており、パッドで背負い心地を担保しながら、荷重分散をする事で、軽量さも相まって登山時の負担を軽減しています。
40Lのロールトップモデルは、現代のテント泊に求められるサイズとして適正で、ニーズをとらえたザックだと思います。現状、テント泊ザックの買い替えを考えている方にとっては、最適解のザックだと思います。もし今自分がテント泊ザックを買い替えるなら、このザックにすると思います。
多少の不満点はあれど、間違いなく使いやすいザックであり、現状の市場のニーズにカリマーが応えた最適解がこのザックだと思います。ぜひ店頭にてお試しください。
その他にも当店では、様々なギアやザックを取り揃えています。何か気になる事などございましたら、ぜひご来店いただき、お気軽にご相談ください。
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